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ランチェスター法則応用の弱者必勝の経営戦略



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「ランチェスターの法則」を生んだのは、
   偉大な科学者・発明家
F・W・ランチェスター

●なぜイギリス人、フレデリック・ランチェスターは法則を発表したか



 ランチェスターの法則を考え出したフレデリック・W・ランチェスター(1868.~1946.)はイギリス人です。
28歳から12年間、当時は最先端のベンチャービジネスであった自動車会社の社長をしていました。
 40歳のときに会社を売却し技術コンサルタントになりました。
それからおよそ5年後の1914年7月28日に第1次世界大戦が起きました。
これに刺激を受け、今後戦争の戦い方や兵器はどのように変化していくかについて考え、
これを9月4日からイギリスの技術雑誌に連載で記事を書き始めました。

 それから1カ月ほどたった10月2日に、
実際の戦闘場面における双方の力関係はどのようにして決まるかについて考えていたとき、
ピタゴラスの定理にヒントを得て次の2つの法則を発表しました。

 第1法則は、攻撃力は兵力数×武器性能
 第2法則は、攻撃力は兵力数²×武器性能
 
?50歳後半のフレデリック・W・ランチェスター
                (1868.10.28生~1946.3.8没)



●第2次世界大戦前、アメリカに輸入されたランチェスター法則

 戦争を事例にするのは好きでないという人もいるでしょうが、
戦争については映画やテレビで何回も見ているのでイメージしやすいことから、
まず戦争を事例にして大事なポイントをつかみます。
そのあと経営に応用するという、
2段階型で考えを進めると理解が早くなるのでこの方法で説明していきましょう。

 一見すると、この2つの公式はありふれていてはなんでもないように思えますが、あとで思わぬ展開を示しました。


 第2次世界大戦が始まる数年前、
アメリカ国防省は数学者や物理学者を何人も集めていくつものプロジェクトチームを作りました。
 その中のあるチームに対しては、もし日本やドイツと戦争をすることになったとき、
どのような戦い方をすると最も効果的に勝てるかについてテーマを与え、この研究をさせました。
 このプロジェクトチームは、ランチェスターの法則を応用して大きな成果を出しました。
さらにこれらのやり方が、オペレェィションズ・リサーチと呼ばれる新しい学問を生み出すきっかけにもなったのです。

 イギリスではドイツから飛んでくる飛行機を早くキャッチするため、
レーダーの開発に取り組みましたが、このときもプロジェクトチームが作られています。



●戦後の第1次ランチェスターブームは、、デミング博士が送ってくれた本から広まった

 1950年、アメリカのオペレェィションズ・リサーチのチームが考え、
実際の戦争で実行したものの中から、国防省の許可を得ていくつかの方法を紹介した本がアメリカで出版されました。
(書名:METHODS OF OPERATIONS・RESEARCH。PHILIP M. MORSE,GEORGE E.KIMBALL)

 アメリカとソ連の対立が強くなっていく中、
日本の産業を復興させるため技術指導の顧問団の1人として日本に来ていたデミング博士(品質管理の専門家)は
「オペレェィションズ・リサーチを研究すると経営の役に立つ」と言って、
日本科学技術連盟にこの本を3冊送ってくれました。

 1955年9月にこの本は日本でも翻訳出版されました。
この本は専門性が高いばかりか、当時としては高価格だったのですが、とても多く売れました。
 これによってランチェスターの法則が日本でも知られるようになりました。
それとともに日本ではランチェスターの法則を「競争の法則」と置き換えて応用したことで、思わぬ発展を遂げるようになったのです。
もしデミング博士がこの本を日本に送ってくれなかったら、日本でランチェスター法則がこれだけ広がることはなかったでしょう。



●ランチェスター第Ⅰ法則とは

 では初めに、第1法則から説明することにしましょう。
 今説明したように第1法則は、
 攻撃力=兵士数(量)×武器性能(質)で表わされます。


 第1法則は、刀や槍など射程距離が短い兵器を使い、敵と味方が接近して「一騎打戦」をしたときだけ成立するので、
第1法則のことを「接近戦の法則」とか「一騎打戦の法則」と呼びます。

 ヨーロッパでも日本でも鉄砲が発明される迄、陸上における戦いの主力兵器は槍でした。
ではA軍100人、B軍60人が槍を使って戦った場合、結果がどうなるかについて考えてみましょう。

 実際の戦いでは、双方とも槍先を揃えて並行に並んで睨み合いをします。
そのあと合図によって相手の陣地を目がけて「ドー」と走っていき、体当たりをするようにして戦います。
 そのため槍の戦いのことを「衝突戦」と呼ぶ場合があります。
 このような戦い方でB軍の60人が全滅する迄戦った場合、
100人いるA軍もやはり60人の戦死者が出るので、損害の出方は「1対1」になります。

 次にA軍200人、B軍60人が同じ条件で戦ったら結果はどうなるでしょうか。
B軍の60人が全滅したとき、200人いるA軍もやはり60人の戦死者が出るので、損害の出方は同じように「1対1」になります。

 つまり第1法則で戦った場合は「初期兵力数」の差に関係なく、損害の出方は両方とも同じ数になるのです。

 しかしこれはあくまでも仮説に過ぎませんから、この法則を信用するには歴史上の戦いで確かめてみる必要があります。
 日本の戦国時代(1477年~1573年)の戦いで、奇襲攻撃や裏切りなどの例外を除くと、両軍の戦死者の数はほぼ同数になっています。
 ヨーロッパでは各地で何度となく戦争が行われていますが、奇襲攻撃や裏切りなどの例外を除くと戦死者の数はほぼ同数になっているはずです。
 これによってランチェスターの第1法則は正しいことが解かります。



●ランチェスター第2法則とは

 次は第2法則です。先ほど説明したように
 第2法則は、
 攻撃力=兵士数²×武器性能(質)で表わされます。


 もし、武器性能と兵士の技能に差がなければ、攻撃力は兵士の数の「2乗に比例」することになります。
 第2法則は、ライフル銃や機関銃のような射程距離が長い兵器を使い、
敵と味方が離れて戦ったときだけ成立するので、第2法則のことを「間隔戦の法則」と呼びます。

 では敵と味方が離れて戦うと、なぜ双方の力関係が2乗比になるのでしょうか。

 5人と2人が幅が100mぐらいある川を間にはさみ、お互い腹ばいになりライフル銃で撃ち合ったとします。
 5人側は、2人の方に向けてライフル銃を構えます。
 2人いる兵士のどちらにライフル銃の「照準」を合わせるかの確率は「2分の1」になります。
 2分の1の確率を持った攻撃を5人から受けるので、2人側の計算上の損害量は「2分の5」になります。

 次に、2人側も当然反撃します。
このとき相手は5人いるので、5人いる兵士の誰にライフル銃の「照準」を合わせるかの確率は「5分の1」になります。
5分の1の確率を持った攻撃を2人から受けるので、5人側の計算上の損害量は「5分の2」になります。
 
 分母が違うので調整をすると2人側の損害量は「10分の25」になり、5人側の損害量は「10分の4」になります。
 このあと両方に10を掛けて分母を外すと、双方の損害量は25対4になります。
 

 損害量の反対は「攻撃力」になるのでこれを直すと、5人側の攻撃力は「25」になり、2人側の攻撃力は「4」になります。

 つまりライフル銃や機関銃のように射程距離が長い兵器を使い、
かつ双方が離れて戦う「間隔戦」をすると、攻撃力は初期兵力数の「2乗」になるのです。
 2乗になる根拠は「確率の法則」にあるので、第2法則のことを「確率戦の法則」と呼ぶことがあります。
 これは多数の同業者がいる場合、会社と会社の「真の力関係」はもちろん商品や営業地域、それに販売活動でも確率が成立するときは、双方の力関係が「2乗比」になるのです。


 今の計算はあくまでも仮説ですから、これを信用するには証拠が必要になります。


 太平洋戦争が始まったとき日本のゼロ戦はとても性能が良かったので、空中戦をするとアメリカの戦闘機がいつも撃ち落とされていました。
 そこでアメリカ国防省はオペレェィションズ・リサーチのチーム(OR)に、どうすれば空中戦に勝てるかについて研究をさせました。
 ORのチームはランチェスターの法則を応用して1つの結論を出しました。
それは空中戦をするときはまず「3倍」の戦闘機を出陣させます。
次に「3機1編隊」でゼロ戦1機と戦いをすると損害が少なくなるというものでした。
このときの本当の力関係は2乗になるので、アメリカが9に対して日本は1になります。

 昭和20年になると、アメリカ軍は「4機1編隊」で空中戦をするようになりました。
このときの本当の力関係は16対1になります。
さらにアメリカ軍の戦闘機は、日本の戦闘機よりエンジンの馬力が強かったので、機関銃の弾数は日本軍より多く積んでいました。

 結局太平洋戦争中に空中戦で打ち落とされた数の比は、
日本軍10機に対してアメリカ軍は1機と10倍の開きが出ており、これはランチェスターの第2法則どおりになっています。



 アメリカ軍は日本軍が守っている島々を奪い取るときにも、このやり方を応用しました。
まず日本軍の3倍近い兵士を上陸させるとともに、
次に戦艦による砲撃部隊と空母からの攻撃隊に1倍を配分したので、結局日本軍の4倍の兵力で戦いをしました。
その結果、太平洋戦争における日本軍の戦死者は135万人~150万人に対して、アメリカ軍は15万人とほぼ10倍の開きになっています。



ランチェスター法則は戦闘時の力関係を表わしたものですが、
これを「競争の法則」と置き換えると、経営活動のいろんな場面で応用できます。




●販売係の実力の高め方

 その1つ目は、訪問型営業における販売係の実力の高め方になります。
販売の仕事は形がなくてつかみどころがありません。
さらに仕事の中心になるのは「会社の外」になるため、その内容はいよいよ解らなくなります。

 販売係の実力を効果的に高めるには、まず初めに販売係の実力はどのような要因で決まるか、これを「公式」で表わしてみます。
 公式で表わすときに役立つのが、ランチェスターの則です。
同じ仕事をしている人が何人もいるときは競争が確率的に行われることになるので、この場合は第2法則が適用されます。

 そうすると、販売係個人の実力は、
 訪問面会件数²(量)×販売知識や技術(質)で表わされます。

 次に、ウエイト付をすると、訪問面会件数が「67%」で、販売知識や技術の質は「33%」になります。


 ランチェスターの法則が応用できる2つ目は、デパートやスーパーの売場面積と売上高の関係になります。
 ランチェスターの法則を経営への応用に取り組んでいた1988年頃、
日本経済新聞社が発行している小売業専門の新聞に「広島のデパート戦争」という特集記事が載っていました。
記事の内容は次の4社についてでした。広島市の人口はおよそ75万人です。

 私は前々から、デパートやスーパーの売上高は売場面積の2乗に比例するのではないかと考えていたので、
さっそく計算機を取り出して確かめてみたところ、やはりそうなっていたのです。

小売業では、売場面積の2乗に売上高が比例
a.広島市の事例
     売場面積  単純比 2乗倍比 売上高  売上高比
1.そごう     34,700㎡  1.00  1.00  680億円  1.00
2.福屋      30,000㎡  0.86  0.74  480億円  0.71
3.天満屋    20,000㎡  0.58  0.33  228億円  0.34
4.三越      16,200㎡  0.47  0.22  143億円  0.21

 まず売場面積が1位のデパートはそごうです。
 1番目は、1位の売場面積を1位の面積で割ると1になります。
 2番目は、2位の福屋の売場面積を1位の面積で割ると0.86になり、これを2乗にすると0.74になります。

これらのデータは1年だけでは誤差が出ますが、3年を平均すると誤差がとても少なくなります。



●ランチェスター法則と戦略コンセプト

 第1法則と第2法則の違いについて別の角度からもう一度説明しておきます。
 射程距離が短い兵器を使って一騎打戦をしたとき、
兵力数の比が「1対0.5」と敵の半分で戦った場合、戦闘時の真の力関係もやはり「1対0.5」になります。
このときの効率は「1」となることから、敵の半分の兵力で戦った側には損も得もありません。
 次に「1対0.33」と、敵の3分の1で戦った場合はどうでしょうか。
戦闘時の真の力関係もやはり「1対0.33」となって効率は「1」となることから、
敵の3分の1の兵力で戦った側には損も得もありません。

 これに対して射程距離が長い兵器を使い、双方が離れて戦いをすると結果が大きく変わります。
1対0.5と敵の半分で戦った場合、戦闘時の真の力関係はこの2乗になって「1対0.25」になるので、敵の半分の兵力で戦った方の効率は「50%」も減少してしまいます。
 次に、1対0.33と3分の1で戦った場合、戦闘時の真の力関係はこの2乗で「1対0.11」になるので、
敵の3分の1の兵力で戦った方の効率はなんと「65%」も減少してしまうのです。
これでは兵力数が少ない方が、ひどく損をすることになります。


 つまり兵士の数は同じであったとしても、使用する兵器の違いと、戦い方の違いによって結果が大きく変わります。ここのところが、ランチェスター法則の最も重要な結論になるのです。


●2つの戦略概念(コンセプト)

 戦略とは見えざるものと言われるとおり、経営戦略の理解はとても難しく、経営に応用するとき間違って考える人が多いのです。

従って経営に応用するには「そのまえの段階」として、戦争を事例にしてもう1つ説明をつけ加えておくことにします。

A.優勢軍の戦略概念
 優勢軍は、ランチェスターの第2法則で大事なところの計画を立て、第2法則で実際の戦いをするのが正しいやり方になり、具体的には次のようになります。

①射程距離が長い兵器や発射する弾数が多い兵器を使う。
②性質が違った兵器をいくつも組み合わせる。
③射程距離が長い兵器が使いやすいよう、広くて見通しが良い平地を戦場に選ぶ。
④敵と離れて戦えるような陣を組む。
⑤実際に敵と離れて戦いをする。
 こうすると双方の真の力関係が2乗比になるので、兵力数が多い優勢軍はより有利になります。
優勢軍の将軍はこのような状況を、自分の意思で作っていくことが大事な役目になります。
この考え方を経営に応用すると「強者の経営戦略」になるのです。

B.劣勢軍の戦略概念(コンセプト)
 劣勢軍は、ランチェスターの第1法則で大事なところの計画を立て、
第1法則で実際の戦いをするのが正しいやり方になり、具体的には次のようになります。

①射程距離が短かくて一騎打戦がしやすい兵器を選ぶ。
②兵器の種類は少なくする。
③山が険しい所や森が深い所など大軍が動きにくく、しかも優勢軍から包囲されにくい所を戦場に選ぶ。
④一騎打戦がしやすいような陣を組む。
⑤敵に接近する。
⑥実際に一騎打戦をする。

 こうすると損害の出方は優勢軍と同じになることから、
2乗作用を受けていた場合と比べると損害量が少なくなるので、劣勢軍にとっては大いに有利になります。

この考え方を経営に応用すると、「弱者の経営戦略」になります。
 
では今説明した2つの戦略概念を、経営に応用してみましょう。

A.強者の経営戦略概念(コンセプト)
 競争条件が有利な会社は、ランチェスターの第2法則を応用して経営の大事なところに目標を定め、第2法則を応用して運営することになります。

①強者は、遠くに運びやすく、しかも使用頻度が高いばかりか、より多くの会社やより多くの人が使用する商品を重視する。
②強者は、商品の市場規模が大きなものには特別に力を入れる。
③強者は、商品の種類を多くして商品市場に盲点ができないようにする。
④強者は、人口が多い大都市に力を入れる。
⑤強者は、営業地域を広くし、営業地域に盲点ができないようにする。
⑥強者は、市場規模が大きくなる業界や利用者が多くなる大衆を重視する。
⑦強者は、卸会社を使った間接販売を重視する。
⑧強者は、テレビ広告などマス広告を多く使用する。

 これが強者の戦略では最も中心部分になります。

B.弱者の経営戦略概念(コンセプト)
 競争条件が不利な会社は、ランチェスターの第1法則を応用して経営の大事なところに目標を定め、第1法則を応用して運営することになります。
このときは射程距離が短かく、戦闘の範囲も狭い「刀や槍」をイメージすると理解がしやすくなります。

①弱者は、遠くに運びにくかったり大量生産がしにくい商品を初めとして、特殊用途の商品や何々専用の商品などを重視する。
②弱者は、商品の市場規模が小さなものに特別力を入れる。
③弱者は、商品の種類を少なくしたり商品の幅を狭くする。
④弱者は、海や川や山、それに鉄道などで地域が分断され、市場規模が小さくて独立性が高くなっている地域を重視する。
⑤弱者は、営業地域を狭くする。
⑥弱者は、市場規模が小さな業界や市場規模が小さな少衆を重視する。
⑦弱者は、最終利用者により近づいた営業方法を考える。
⑧弱者は、最終利用者への直接販売を重視する。
⑨弱者は、最終利用者のお客と人間関係を良くして、紹介をもらうようにする。

 これが弱者の戦略では最も中心部分になります。
この原則に従って経営をすると、強い会社や大きな会社から2乗作用の圧迫を受けなくなるので、努力をすればその分報われることになるのです。


●強者か弱者かは市場占有率で区分
 強者か、弱者か、それは市場占有率によって決まります。

 田岡信夫先生(1927年~1984年)と、斧田大公望先生の2人は
セミナー会社の「SPB」に講師として勤めていた1962年の初め、
アメリカで出版され、日本でも翻訳出版された「オペレェィションズ・リサーチの方法」の本と出会いました。
数学が得意であった2人はこの本の中で説明されている、
バーナード・コープマンの「ランチェスター戦略のモデル式」にヒントを得て、
1962年の夏から1年をかけ、26.1%、41.7%、73.9%という市場占有率の「3大数値」を考え出したのです。





 これからは上級者編です。
オペレェィションズ・リサーチの方法と、市場占有率が考え出されるまでの事情について詳しく説明しましょう。この2つが生まれたときの事情が解ると、「ランチェスター経営戦略」の理解がさらに深まります。




●戦略攻撃と戦術攻撃の違い
 前の項で、オペレェィションズ・リサーチについて少し触れましたが、そのときの世界情勢といえば、 第1次世界大戦が終わったあとの平和的小康状態でした。
が、アメリカ国防省は日本とドイツが着々と軍備を拡大するのを見て、
危機感を持つとともに、いずれ日本やドイツと戦争になるだろうと考えました。
そこでまず数学者、物理学者、生物学者などその道のスペシャリストを何人も集め、次に5人~6人で構成したチームをいくつも作りました。
 そのあと、どのような戦い方をすると最も効果的に戦争に勝つことができるかなど、いくつもの課題を与えて研究をさせました。

これがオペレェィションズ・リサーチという、新しい学問を生み出す大本になったのです。

 あるチームの中に、数学者の「バーナード・コープマン」がいました。

コープマンは日本と戦争をすることになった場合、アメリカが日本用として使う国防予算をどのように配分し、
どのような戦い方をすると最も効果的に勝つことができるかについて考えたのです。

 まず攻撃力を「戦略攻撃」と「戦術攻撃」の2つに分けました。

 戦略攻撃とは、日本が飛行機を初めとして空母や戦車などの兵器を作る工場を初めとして、
戦場で兵士の食糧となる缶詰などを作る食品の加工工場、さらにこれらを輸送する鉄道、橋、港を破壊して、
戦場に対する兵器や食糧の補給力を「大本」から低下させるための爆撃になります。
 もし日本から遠く離れた戦場に、ヤル気があって高い戦闘技術を持った兵士が多くいたとしても、
アメリカと戦うために欠かせない兵器や砲弾の補給が少なくなった上に、兵士が毎日食べる食糧の補給も少なくなれば、当然戦いが続けられなくなります。

 次は戦術攻撃になります。
戦術攻撃とは、日本軍がすでに在庫として持っている空母や戦艦を初めとして、飛行機や大砲、それに戦車などと直接対戦し、
これらの兵器を破壊したり兵士を殺傷して戦力を低下させる、「直接的」な攻撃になります。


●戦略攻撃に3分の2を配分
 次に効果的な戦いをして戦争を早く終わらせるには、アメリカが日本用に回す軍事予算のうち、何割を戦略攻撃用に配分し、
何割を戦術攻撃用に配分すると攻撃力が最も強くなるかこの計算をして、はっきりした答えを出しておかなければなりません。
 
 コープマンはこの解決策として、ランチェスターの法則とゲームの理論の2つを組み合わせ、戦略モデル式を考え出しました。
この戦略モデル式の計算にはいたるところに偏微分が出てくるので、数学が得意な人でなければ解かりにくくなっています。
 コープマンはこの戦略モデル式を使い、アメリカが日本に対して使用する軍事予算のうち「3分の2」を戦略攻撃用に配分し、3分の1を戦術攻撃用に配分すると最も効果が高くなると結論を出したのです。


 これは経営についても同じことが言えます。
それは同業者よりも有利な条件で「粗利益や経常利益を補給」するため、
競争力がある強い商品やお客を集中して作った1位の地域や1位の客層を作ろうとせず、
もっぱら戦術を中心にして、目先の売上高や目先の利益を追い求めている社長がとても多くいます。
これでは一時的に売上が上がっても長続きせず、たいがい業績が悪くなります。



●市場占有率の3大数値

 田岡先生と斧田先生の2人は、コープマンの戦略モデル式をじっくり検討したあと、次のように考えました。

 その1番目は、経営の大本はお客になるのだから、ある商品市場で、またはある地域市場の中で、どれぐらいのお客を押さえているかを示す「市場占有率」が、粗利益や経常利益の「補給力」を根本的に決める最も大きな要因になるはずだ、というものです。。

 2番目は、コープマンが考えた計算式は「日本とアメリカ、ドイツとイギリス」というような「特定2者間」の戦いであるが、経営の場合は多数の競争相手がいてお互いに相手のお客を「確率的」に取り合っているので、事情が少し変わるというものでした。

 この考えをもとに計算をやり直し、1962年、昭和37年の夏から1年をかけ、26.1%、41.7%、73.9%の3大占有率を考え出しました。




強者となれる3つの条件
 ある商品かある地域で1位になり、次に市場占有率26.1%以上を押さえ、かつ2位との間に10対6以上の差をつけるという「3つの条件」を満たすと、2位や3位の会社よりも有利な条件で粗利益と経常利益が補給されるようになるので思い切った経営ができることから、「強者の戦略」が実行できるようになります。

 もしこの3つの条件のうち1つでも崩れると弱者になります。中でも1位であることは絶対の条件になりますから、たとえ市場占有率が26%あったとしても、あるいはどんなに大きな会社であっても、2位かそれ以下であれば当然弱者になります。アメリカの自動車メーカーG・Mはかつては強者の条件を満たしていましたが、リーマンショックのあと市場占有率が急速に低下して20%を下回ったことから、弱者の立場に立っています。

 市場占有率を計算する場合、地域上の範囲は最低でも人口100万人単位で、または自社活動エリアのどちらか広い方で考えて下さい。

 日本の場合、強者の戦略が実行できる会社は1,000社中5社ぐらいしかなく、残りの995社は弱者になり、さらにこの中で不利な方の400社は競争条件が特別不利な番外弱者になります。

 ちなみに市場占有率の測定では必ず誤差が出、中でも10%以下になると誤差がより拡大しますから10%以下の会社の場合、市場占有率の調査はおおよその数値でよく、高いお金を出して改めて全地域を調査する必要はありません。


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